中国の製薬大手、江蘇恒瑞医薬(
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HRS9531注射液は、GIP受容体(GIPR)とGLP-1受容体(GLP-1R)の2種類に結合して作用する薬剤(デュアルアゴニスト)で、江蘇恒瑞医薬が独自の知的財産権を持っている。江蘇恒瑞医薬によると、現時点で同様の薬剤は米イーライリリー社のチルゼパチド注射液(商品名:マンジャロ)のみで、2022年5月に米国で2型糖尿病治療薬として承認され、24年5月には中国でも承認された。EvaluatePharmaのデータベースによると、マンジャロの2024年の世界売上高は約115億4000万米ドルだった。HRS9531の研究開発費は累計で3億4476万元に上る。