2025-05-30 |
米国/マーケット/証券 |
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NY市況(29日):ダウ117米ドル高と反発、エヌビディア上昇も貿易政策不透明感が上値圧迫
29日のNY株式相場は反発。予想を上回る決算が好感されたエヌビディアが大幅に上昇し相場をけん引したものの、貿易政策を巡る混乱が上値の圧迫要因となった。エヌビディアはデータセンター売上高が前年同期比73%増と好調で、株価は一時6.43%高まで上昇し、3.25%高で終了。前日引け後に米国際貿易裁判所がトランプ米大統領の「相互関税」を違法だとし、差し止めを命じたことも好感されたが、トランプ政権が控訴したことで、二審は一審の差し止め判決を一時的に停止することを命じた。
ダウ平均は上昇してスタート後、一時270米ドル安まで下落後、117.03米ドル高(+0.28%)と反発して終了。S&P500は一時0.93%高まで上昇後、0.40%高と上昇幅を縮小して終了し、ハイテク株主体のナスダック総合は朝方に1.51%高まで上昇後、0.39%高で終了した。
S&P500の11セクターは不動産の0.95%高を筆頭に、ヘルスケア、公益、エネルギー、ITなど10セクターが上昇し、コミュニケーションが0.35%安と唯一下落した。ダウ平均採用銘柄はボーイング、エヌビディアが3%超上昇し、アムジェン、シェブロンも1%超上昇した一方、セールスフォースが3.30%安となった。センチメントは改善。投資家の不安心理を示すVIX指数は前日の19.31ポイントから19.18ポイントに低下した。
米国際貿易裁判所が「相互関税」の差し止めを命じたことに対しトランプ政権が控訴し、二審は差し止め判決の一時停止を命じた。トランプ政権は必要なら最高裁にも申し立てるとしたことで関税を巡る不透明感が強まった。経済指標は強弱まちまち。1−3月期国内総生産(GDP)改定値が前期比年率-0.2%となり、予想の-0.3%ほど悪化しなかった一方、新規失業保険申請件数は24万件と、予想の23万件を上回る悪化となった。