米紙『ニューヨーク・タイムズ』は17日、米アップルがアリババ集団(
09988)と共同開発した人工知能(AI)を中国市場用のスマートフォン「iPhone」に搭載する計画について、米ホワイトハウスや米議会が数カ月前から調査しているようだと報じた。事情に詳しい関係者によると、両社の提携を通じて中国企業がAI能力を向上させ、中国の検閲を受ける生成AIの利用が拡大する一方、アップルが中国の検閲・データ共有のルールに縛られるリスクを米側は警戒している。
アップルにとって中国市場は売上高の約5分の1を占めるだけに、仮にアリババ集団との提携が破談になれば痛手は大きい見通し。世界で最も規制と競争が厳しい市場である中国でAI機能をiPhoneに組み込むには、中国テック企業の協力が欠かせない状況にある。『ニューヨーク・タイムズ』は、アリババとの提携がなければiPhoneは華為技術(ファーウェイ)や小米集団(
01810)の競合機種に後れを取る見通しだと伝えた。
関係者によれば、米ホワイトハウスや米下院中国特別委員会はワシントンでアップル幹部との会合を開き、アリババ集団との提携条件や共有するデータの範囲、中国当局に対する責務の有無などについて問いただしている。3月に行われた中国特別委員会では、アップルの幹部はほとんどの質問に答えられなかったという。