中国のインターネットサービス大手、テンセント(
00700)が14日大引け後に発表した2025年1−3月期決算は、売上高が前年同期比12.9%増の1800億2200万元、純利益が同14.2%増の478億2100万元だった。国際会計基準に基づかない独自の非IFRS純利益は、同22%増の502億6500万元。同社が発表した業務回顧と展望は次の通り。
■業務回顧および展望
2025年1−3月期、当社の高品質な収入は堅調な成長を維持した。人工知能(AI)能力はすでにパフォーマンス広告やロングライフゲームなどの業務に実質的な貢献を果たしている。当社のAIサービスである「元宝」と微信(WeChat)上での応用展開といった新たなAIによるビジネスチャンスへの投資も強化した。当社は、AI戦略の投資段階において、既存の高品質収入による経営レバレッジが、これらのAI関連投資によって生じる追加コストの吸収に寄与し、財務の健全性を維持すると確信している。これらの戦略的AI投資は、ユーザーと社会に価値を創出し、当社に長期的かつ有望な追加リターンをもたらすと予想している。
■主要な製品・サービスの主な実績
・微信小店の出店支援を強化し、ブランド商品のラインアップを拡充したことで、微信小店の取引額が前年同期比で急増した。
・微信内でAI機能を導入し、よりインタラクティブなユーザー体験を提供するとともに、コンテンツ制作者や開発者の作業効率を向上させた。たとえば、AIサービス「元宝」を微信の連絡先に追加し、大規模言語モデルによって微信の検索機能に能力を付与し、公式アカウントで画像生成ツールを提供した。
・テンセントビデオは中国の長尺動画市場におけるトップの地位を維持し、有料会員数は1億1700万に達した。テンセントミュージックも中国の音楽ストリーミング市場でのリーダーシップを保ち、有料会員数は1億2300万に達した。
・『王者栄耀(オナー・オブ・キングス)』や『穿越火線手遊(クロスファイアモバイル)』など複数のロングライフゲームが、ゲームの繁忙期である第1四半期において、課金収入が過去最高を更新した。
・『三角州行動(デルタフォース)』の国内ユーザー数はリリース以降で最高を記録し、2025年4月には1日当たりのアクティブアカウント数のピークが1200万を突破した。1日平均アクティブアカウント数で見ると、『三角州行動』は業界で最も人気のあるモバイルゲームの中で第6位(QuestMobile調査)となり、過去3年間に業界でリリースされた新作ゲームの中で1日平均のアクティブアカウント数が最も多いゲームとなった。
・生成AI能力を強化し、広告技術プラットフォームをアップグレードした。たとえば、画像生成や動画編集機能を改良して広告制作を加速させ、デジタルヒューマンソリューションを打ち出してライブ配信活動を促進し、商品とユーザーの興味に対する理解を深めてレコメンド効果を高めた。
・テンセントクラウドの音声・映像ソリューションは、中国市場の収入ベースで7年連続首位(IDC調査)を維持した。大規模言語モデルの能力を取り入れることで、コンテンツ生成、メディア処理、リアルタイムのインタラクション体験を向上させた。