2025-05-13 |
中国/政策/その他 |
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関税引き下げ合意は「戦略的デカップリング」の進展=ベッセント米財務長官
ベッセント米財務長官は12日、前週末に中国との貿易協議で成立した合意は、重要な品目について中国製品への依存度を下げる「戦略的デカップリング(分断)」の進展を示すとの見解を明らかにした。米CNBCのインタビュー番組で、「中国からのデカップリングを一般化することは望んでいない」「望んでいるのは戦略上必要なデカップリングだ。これはコロナ禍の時期に達成できなかったし、効率的なサプライチェーンが復元力の高いサプライチェーンではないことが分かった」と述べた。
ベッセント氏は、米国では数年前から安価な中国製品からのデカップリングが議論されてきたが、これまで大きな進展はみられず、完全な断絶を目指してもいないと指摘。その上で「今や(巨額の対中赤字を抱える)米国の利益に不可欠な、特定要素のデカップリングが実現している」と語った。
ベッセント氏はさらに、「わが国は自前で鉄鋼を製造することになる。(関税が)われわれの鉄鋼産業を保護し、戦略的機器や半導体にも作用する」と述べ、関税による特定産業の保護が有効との考えを改めて強調した。また、貿易相手に共通して課す10%の相互関税とは関連していないと説明した。
スイスで行った高官協議での合意に従い、米国は対中報復関税を90日間停止し、10%の相互関税と20%のフェンタニル課税を残す。米中は貿易問題を継続協議する枠組みの設置でも合意した。ベッセント氏は次回協議の具体的な日程は明らかにせず、数週間以内に行われる見通しを示すにとどめた。