建銀国際は香港株式市場に関する最新のストラテジーリポートで、ハンセン指数は短期的に22000ポイント付近でもみ合うと予想した。過去1カ月間で、ハンセン指数、中国企業指数、ハンセンテック指数は6%−10%下落し、業種別ではヘルスケアと公益事業がそれぞれ6%、2%の上昇で最も堅調だった一方、工業と情報技術はそれぞれ8%、7%の下落になったと指摘した。『AAストックス』が4月30日伝えた。
米国の「相互関税」による影響を懸念し、業績予想の下方修正が相次いでいると指摘。過去1カ月で、20業種のうち15業種の年間1株当たり利益予想が引き下げられた。主要20業種のうち、メディアと一般消費財・サービスは過去5年間の平均予想株価収益率(PER)を0.9標準偏差下回っている一方、通信は過去5年間の平均PERを2.0標準偏差上回っているなど、9業種のPERが過去5年間の平均を上回っているとした。
相互取引を通じて本土から香港市場に投資する南向き資金の流れでは、成長株が引き続き選好されていると指摘。過去1カ月で、アリババ集団(
09988)が最大の買い越しとなったが、株価は9%下落した。一方、トラッカー・ファンド・オブ・ホンコン(
02800)は最大の売り越しとなり、株価は6%下落した。過去2週間では、南向き資金の流入は鈍化し、大幅な流出もみられた。
建銀国際は、中国共産党中央政治局会議が先週開かれたことに言及し、「外部衝撃の影響が拡大」として国際的な経済貿易摩擦に初めて触れたと指摘。積極的なマクロ政策を加速して実施すべきとの方針を示しており、これらの政策は6月末までに相次いで実行される可能性が高いと分析。経済が予想以上に悪化した場合、中央政府には市場と期待を安定させるための追加の政策手段が残されているとみている。
投資戦略としては、レンジトレーディングを推奨。中米の関税交渉や非関税障壁の変化に注目し、ディフェンシブな高配当銘柄を中心にポートフォリオを構築するよう勧めた。
また、直近の南向き資金の流入額上位銘柄(データは今年4月25日まで)をリストアップ。1位はアリババ集団(207億2200万HKドルの買い越し)、2位はテンセント(
00700)(142億2300万HKドルの買い越し)、3位は小米集団(
01810)(114億5000万HKドルの買い越し)、4位は美団(
03690)(100億6800万HKドルの買い越し)、5位はポップマート(
09992)(44億1400万HKドルの買い越し)、6位はCNOOC(
00883)(34億8600万HKドルの買い越し)、7位はSMIC(
00981)(32億8300万HKドルの買い越し)、8位はチャイナ・モバイル(
00941)(21億2600万HKドルの買い越し)。