リチウム製品の中国大手、天斉リチウム(
09696/
002466)は23日大引け後、2024年1−3月期決算(中国会計基準)で純損益が36億−43億元の赤字となる見通しを明らかにした(前年同期は48億7500万元の黒字)。1株当たり損失は2.20−2.62元の見込み。
赤字転落の主因として、リチウム製品市場の変動の影響で売り上げが前年同期を下回り、リチウム製品の粗利益が減少したことを挙げた。また、主要関連会社のソシエダード・キミカ・イ・ミネラ・デ・チリ(SQM)の24年1−3月期の業績悪化により、同社から得られる投資収益は前年同期を大幅に下回る見通し。SQMは現時点で24年1−3月期決算を発表していないため、ブルームバーグがまとめた予想EPSなどに基づいてSQMからの投資収益を算出した。
SQMは、2024年4月にチリのサンティアゴ裁判所が2017年度と2018年度の税務訴訟について評決を下し、2022年11月7日の税務・関税判決を破棄したと発表した。SQMは同評決に基づいて税務係争金額の会計処理を見直し、24年1−3月期の純利益が約11億米ドル減少すると見込んでいる。SQM税務訴訟の評決は天斉リチウムが得る投資収益にも影響し、純利益を押し下げる見通し。