9日の香港市場は前日の米株高の流れを引き継ぎ、買いが先行か。米国で8日発表の週間の新規失業保険申請件数が市場予想を上回り、労働市場の軟化を示したと受け止められた。米連邦準備理事会(FRB)による利上げ長期化への懸念が和らぎそうだ。米長期金利が低下したこともあって、投資家が運用リスクを取りやすくなるだろう。
もっとも、買い一巡後は上値の重い展開があり得る。米連邦公開市場委員会(FOMC)を来週の13−14日に控え、結果を見極めたいとのムードが続いている。また、中国国家統計局がきょう寄り付き後に5月の消費者物価指数(CPI)と生産者物価指数(PPI)を発表する。
8日のNY株式相場はダウ平均が3日続伸し、ハイテク株主体のナスダック総合は反発した。米金融引き締めへの警戒感が和らいだ上、アナリストが投資判断を引き上げたアマゾン・ドット・コムが上昇し、ハイテク株が幅広く買い直されたことが支援となった。同日の香港株の米国預託証券(ADR)は高安まちまち。国際金融銘柄のHSBC(
00005)とAIAグループ(
01299)、中国ネット通販大手のアリババ集団が香港終値を上回った半面、香港公益株のホンコン・チャイナガス(
00003)、不動産株の華潤置地(
01109)が下回って引けた。