2023-05-30 |
香港/業界動向/電子・IT |
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今年の「618」セールは低価格競争、利益率低下の見込み=香港経済日報
中国の2大ネットセールイベントの一つである「618」にあわせ、オンライン通販プラットフォームが先週、相次いで購入予約受け付けを始めた。『香港証券日報』は29日、今年の「618」が薄利多売に陥り、ネット通販事業の利幅が下押しされる公算が大きいとの見方を伝えた。中国の景気回復見通しが不透明な上、ネット通販市場の競争が激化しており、市場はアリババ集団(
09988)やJDドットコム(
09618)などの主力事業の利益率を注視しているとした。
「618」はもともと、JDドットコムが創業日の6月18日を記念する催しだったが、他のネット通販事業者も同時期に対抗セールスを繰り広げるようになり、いまや“独身の日”こと11月11日にあわせた「双11」(ダブルイレブン)と並ぶ業界のイベントとなった。証券市場では「618」の流通総額(GMV)が4−6月期のネット通販株の重要指標とみなされている。
『香港証券日報』は、各社がこれまでに発表したプロモーションの内容から判断して、今年の「618」商戦は低価格競争が基調になる、と伝えた。今年3月に低価格戦略への回帰を打ち出したJDドットコムは特に力が入っており、全般的な値下げに加えてクーポンを配布する。ユーザーは「買い物200元ごとに20元」の補助券を1日当たり3枚まで入手できる。対してアリババ集団は、総額23億元の「紅包」(現金のギフト)を提供するほか、クーポン配布や最大8割の値引きを行う。