英金融大手HSBC（00005）は21日前引け後、カナダ銀行事業の売却完了を前提として、1株当たり0.21米ドルの特別配当を取締役会で検討すると発表した。売却手続きを2023年末に終え、24年初めに配当を実施する見通し。また、剰余資本を内部成長と投資機会に分配するほか、現在進めている自社株買い計画とは別の自社株買いに充てる可能性があるとした。

　同時に発表した2022年12月本決算は、純利益が前年比17.5％増の148億2200万米ドルとなり、ファクトセットがまとめた市場コンセンサス予想の137億1800万米ドルを上回った。ただ、売却を予定している仏リテールバンキング部門について24億米ドルの減損処理を行ったことで、税引き前利益は175億2800万米ドルと前年から13億7800万米ドル減った。

　経常収益は前年比3.7％減の615億9600万米ドルだった。1株当たり期末配当は0.23米ドルの予定（前年は0.18米ドル）。22年は四半期配当を見送ったが、23年1−3月期から復配の方針を示した。23年と24年の配当性向目標は50％に設定した。

　HSBCの株価は日本時間午後2時15分現在、前日比0.77％安の58.30HKドルで推移している。