中国インターネットサービス大手のテンセント(
00700)が保有する上場企業株のうち1000億元相当を年内に売却する方針との報道について、同社は「出資持ち分を減らす目標金額や時期は一切設定していない」と否定した。『香港経済日報』や『信報』などの香港経済紙が1日伝えた。
英紙『フィナンシャル・タイムズ』(電子版)は8月31日、消息筋の話として、テンセントが保有している上場企業株880億米ドルのうち約145億米ドル(1000億元)を年内に手放す方針で、戦略転換の背景には投資家からの圧力と中国当局による大型ネット企業の統制があると報じた。一方テンセントは、一貫して自社と株主への豊かな投資収益を目指しており、投資ポートフォリオに外部からの圧力はかかっていないと強調した。
『フィナンシャル・タイムズ』によると、消息筋はテンセントが出資持ち分で得た資金を、中国指導部が提唱する「持続可能な社会価値と共同富裕」に応えて創設した2つの基金に投じるとみている。同社は昨年、1000億元規模の基金を設立し、農村部の活性化や低所得層の収入増加に貢献すると表明している。ただ、同社は「持続可能な発展イニシアチブに対する1000億元の拠出は複数年にまたがるもので、投資決定とは別だと繰り返し表明してきた。同基金への資金提供スケジュールはまだ決まっていない」と指摘した。
テンセントの株価は日本時間午後0時57分現在、前日比0.55%高の329HKドルで推移している。