米国証券取引委員会(SEC)が中国ネット通販最大手のアリババ集団(
09988)を上場廃止警告リストに追加したことについて、同社は1日朝方、「引き続き市場動向に留意し、関連法規を順守しつつ、ニューヨーク証券取引所(NYSE)と香港証券取引所の両市場での上場を維持するよう努める」と表明した。同社は米預託株式(ADS)をNYSEに上場している。同社は最近、香港市場でもプライマリー上場する「デュアルプライマリー上場」を目指す方針を明らかにした。
SECは7月29日、アリババ集団が同月26日に提出した年間財務報告を受け、同社を「外国企業説明責任法(HFCAA)」に基づく「委員会認定発行体」に認定した。この認定は、アリババ集団の監査法人が2022年3月期の財務報告の監査作業を行った際の資料を米国公開会社会計監督委員会(PCAOB)が完全に検査できていないと、SECがみなしたことを意味する。
認定を受けたことで、アリババ集団にとって2022年3月期は「未検査」の初年度となった。HFCAAの規定では、PCAOBが米国上場企業の財務報告を担当する会計事務所を検査できない「未検査」状態が3年続いた場合、SECはNYSEを含む米国の証券取引所や店頭市場での当該企業の証券の売買を停止させることができる。
アリババ集団の株価は日本時間午後0時50分現在、前営業日比2.15%安の91.10HKドルで推移している。