16日の香港市場は前日の米株高の流れを引き継ぎ買いが先行するか。前日のNY市場でダウ平均は6営業日ぶりに反発し、ハイテク株比率の高いナスダック総合指数は大幅に続伸した。注目された米連邦公開市場委員会(FOMC)では政策金利が通常の3倍の幅の0.75%引き上げられたものの、大幅利上げがすでに株価に織り込まれていたことや、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の会見後に金利上昇や米ドル高が一服したことが株価の支援となった。
パウエルFRB議長は記者会見で7月FOMCでも0.50%、または0.75%の利上げの可能性を示唆し、インフレ抑制に強くコミットする姿勢を示した。FOMC後に公表した政策金利見通しでは、年末の値は委員らの予想中央値で3.375%となり、前回3月から大幅に引き上げられた。
もっとも、香港市場で上値追いの動きは限られると予想する。FRBの会見後も香港ドル相場がペッグ制変動レンジ下限の7.85HKドル付近で推移し、香港金融管理局(HKMA)は今朝、138億2400万HKドルの香港ドル買い、米ドル売りを実施した。香港ドル買い介入は5月12日以降で9度目。金利差の拡大を背景に香港ドルの売り圧力が強まり、資金流出への懸念が意識されそうだ。
15日の香港株の米国預託証券(ADR)は、欧州金融大手のHSBC(
00005)、アジア生保のAIAグループ(
01299)、大型ネット株のアリババ集団(
09988)、テンセント(
00700)、JDドットコム(
09618)が香港終値を上回って引けた。香港株のADRにサヤ寄せすれば、ハンセン指数は前日終値を40ポイント超上回って寄り付くことになる。