2日の香港市場は米株安の流れを引き継ぎ、軟調な相場か。米長期金利の上昇を受け、米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締めへの懸念が広がりそうだ。原油相場も上昇基調にあり、インフレ高進が改めて意識されるだろう。香港市場はあすの端午節から3連休とあって、持ち高を整理する動きが相場を押し下げる展開があり得る。
ただ、中国政府が打ち出した景気下支え策への期待は根強く、下値は堅いと予想する。中国の国務院(内閣に相当)は1日に常務会議を開き、先ごろ決めた6分野33項目の経済安定政策の実施を急ぐよう関連部局に指示した。中国本土での新型コロナウイルスの新規感染者数が減少し、上海市が2カ月あまり続いた都市封鎖(ロックダウン)を1日に解除したことも投資家心理を支えるだろう。なお、きょうはハンセン指数構成銘柄の美団(
03690)が2022年1−3月期決算を発表する。
1日のNY株式相場はダウ平均など主要3指数がそろって続落。5月の米ISM製造業購買担当者景気指数 (PMI) が市場予想に反して上昇し、米10年債利回りが2.9%台に上昇したことで売りが優勢となった。同日の香港株の米国預託証券(ADR)は総じて下落。大型ネット株のテンセント(
00700)とアリババ集団(
09988)、国際金融銘柄のHSBC(
00005)とAIAグループ(
01299)がそろって香港終値を下回って終えた。