中国のネット媒体『澎湃新聞』は5月31日、消息筋の話として、BYD(
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東呉証券のリポートによると、リン酸鉄リチウム電池と三元リチウム電池に使う炭酸リチウム量は1ギガワット時(GWh)当たり平均600トン。現時点で主流の電気自動車(EV)バッテリー容量の60キロワット時(kWh)を基に計算すると、EV1台に必要な炭酸リチウムは約36キログラムとなる。したがって、仮にBYDが2500万トンの鉱石を全て採掘すれば、EV2778万台分の60kWhバッテリーを供給できる。同社の22年の販売目標である150万台を基に考えると、この量のリチウム鉱石を入手すれば向こう10年はリチウム調達に苦労せずに済むことになる。
消息筋によれば、リチウム鉱床6カ所のうち数カ所は来月から出荷を始め、生成されたリチウムが今年7−9月期にもBYDの「ブレードバッテリー」に使われる見込み。