中国人民銀行（中央銀行）は、不動産企業間での開発プロジェクト売買が、不動産業界リスクを解消して清算を実現する最も有効で市場化された手段との見解を明らかにした。人民銀金融市場司の鄒瀾司長が30日の記者会見で述べた。人民銀と銀行保険監督管理委員会が先ごろ、不動産企業のリスク処理につながるプロジェクト売買を金融機関が支えるよう通達しており、市場では金融当局が債務問題を抱える不動産企業の救済に乗り出したとの観測が浮上している。

　鄒瀾司長は、過去数年のデータによると不動産会社は現在10万社以上存在するが、毎年500社近くが「破産重整」（再建型の法的整理）に入っていると指摘。これは業界の優勝劣敗の結果であり、清算の重要な方式との見方を示した。「経営危機に直面し、資金繰り難に陥った不動産企業グループが保有する良質なプロジェクト子会社の権益や資産に対し、購入意欲を示す同業の民営会社や国有企業は少なくない。これに対応して、融資サービスの需要も生まれている」と語った。

　鄒氏はさらに「長期的に見れば、買収・合併などの市場化方式で不動産市場の構造調整を進めることが、巨額負債を抱えた企業グループの資産と負債の圧縮と同時に住宅購入者の合法権益を保護し、市場参加者がプロジェクト本体のリスク評価と管理をより重視するよう促し、不動産の新たな開発モデルの形成を後押しする」と述べ、これにより不動産業の良い循環と健全な発展が促進されるとした。