電子機器受託製造サービス(EMS)の富智康集団(
02038)は22日朝方、インド子会社のBharat FIH Limited(BFIH)を同国ムンバイ証券取引所とインド国立証券取引所に分離上場する計画を発表した。BFIHが21日、上場目論見書の草案をインド証券取引委員会に提出した。一方、香港証券取引所は富智康集団が提出した分離上場計画を承認した。2022年に上場することを目指す。
分離上場はBFIHが新たに発行する株式の公募と既存株の売り出しを組み合わせて行う予定で、合計の公開規模は増資後発行済み株式の25%(幹事会社に与えるオーバーアロットメントオプションの行使分を含む)を上限とする。富智康集団は調達した資金の最大40%を特別配当に充てる方針を明らかにした。残額は運転資金にする。
富智康集団は、親会社の台湾・鴻海精密工業(持ち株比率63.43%)から分離計画に賛成するとの書面を得ているため、同計画の承認を求める株主総会の開催は不要となった。
現時点で富智康集団は間接的にBFIHの全株式を保有している。分離上場後も持ち株比率は75%を割り込まない見通しで、BFIHは富智康集団の連結対象にとどまる。BFIHはインドのEMS市場で最大の売上高を誇り、同国南部3カ所に拠点を持つ。主に携帯端末や電気自動車、テレビ、通信機器などのOEM(相手先ブランドによる生産)向けにEMSを提供する。
富智康集団の株価は日本時間午前11時7分現在、前日比3.36%高の1.23HKドルで推移している。