台湾・鴻海精密工業の子会社、富智康集団(
02038)は3日朝方、2021年12月本決算で純損益が前年同期の1億7400万米ドルの赤字から黒字に転換する見通しを発表した。粗利益率と営業利益率の改善に加え、子会社だったモバイル・ドライブ・ネザーランズの合弁会社化に伴い3500万米ドルの利益を計上したことを主因に挙げた。
新型コロナウイルスの感染が抑制される中、生産量と運営効率が向上したほか、20年から進めてきた資産と人員の最適化がコストの低減につながった。21年1−10月の粗利益率は1.56%となり、前年同期の1.03%から上昇した。また、同期間の販売費と営業コストはそれぞれ66億6700万米ドル、2億6400万米ドルに抑えられており、前年同期は69億7100万米ドル、3億700万米ドルだった。
一方、モバイル・ドライブ・ネザーランズについては、今年11月に自動車世界大手の欧州ステランティスからの出資を受け入れ、折半合弁会社にすることで合意した。会計処理でモバイル・ドライブ・ネザーランズが連結子会社から持ち分法適用企業になるため、評価益が発生した。
富智康集団の2日終値は前日比変わらずの1.18HKドル。