1日の香港市場は上値の重い展開か。前日まで3営業日続落し、2020年9月30日以来、約1年2カ月ぶりの安値で終えただけに、自律反発を狙った買いが入る可能性がある。一方、南アフリカで発見された新型コロナ変異ウイルス「オミクロン株」を巡り、既存のワクチンや治療薬の効果が薄いとの報道が相次いでおり、感染の拡大が世界景気を下押しする懸念が根強い。投資家がリスクを取りにくい状況が続き、買い戻しの勢いは限られると予想する。
前日のNYの市場でダウ平均は652米ドル安と反落。「オミクロン株」への懸念に加え、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が量的金融緩和の縮小の前倒しに言及したことが嫌気された。ハイテク株比率の高いナスダック総合指数も反落した。同日の香港株の米国預託証券(ADR)は、HSBC(
00005)、AIAグループ(
01299)が香港終値を上回った半面、テンセント(
00700)やアリババ集団(
09988)が下回って引けた。香港株のADRにサヤ寄せすれば、ハンセン指数は前日終値を70ポイント超下回って寄り付くことになる。
きょうは11月の財新中国製造業購買担当者景気指数(PMI)が発表される。市場コンセンサス予想は50.5、前月実績は50.6。結果によっては相場の波乱要因になる可能性もある。