NY市況(11月30日):ダウ652米ドル安 オミクロン株への警戒感やパウエルFRB議長発言が重し
11月30日のNY株式相場は大幅反落。モデルナのCEOが既存の新型コロナウイルスワクチンは南アフリカで新たに発見された変異株「オミクロン株」に対する有効性が低い可能性があると発言したことなどで、コロナ変異株への警戒感が再び高まったことや、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長がテーパリング(資産購入の段階的縮小)のスピードアップの可能性を示したことが嫌気された。パウエルFRB議長は議会証言で12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)でテーパリングを加速させることを議論するとし、テーパリング終了が数カ月早まるかもしれないとした。先週金曜日に905米ドル安となったダウ平均は前日に236米ドル高と反発したが、この日は再び652.22米ドル安(-1.86%)と大幅反落した。アップルが3%超上昇したものの、セールスフォース、トラベラーズ、アメリカン・エキスプレス、3Mなどが3%超下落し、ダウ平均を押し下げた。
S&P500とナスダック総合もそれぞれ1.90%安、1.55%安と反落。3指数はそろって一日の安値圏で終了した。投資家の不安心理を示すVIX指数は前日の22.96ポイントから27.19ポイントに上昇するなど、センチメントは悪化した。
米国株はオミクロン株への警戒感から軟調にスタートすると、テーパリング加速に言及したパウエルFRB議長発言を受けて下落幅を拡大した。市場ではFRBが変異株による景気悪化リスクよりインフレ抑制に舵を切ったと受け止められた。S&P500の11セクターはコミュニケーションの3.00%安を筆頭に全セクターが下落。公益、生活必需品、資本財、エネルギー、素材、金融、不動産も2%超下落した。
海外市況
指標 寄値 高値 安値 終値 前日比 騰落率
NYダウ 35056.99 35056.99 34424.44 34483.72 -652.22 -1.86
S&P500 4640.25 4646.02 4560.00 4567.00 -88.27 -1.90
NASDAQ 15716.50 15828.20 15451.39 15537.69 -245.14 -1.55
CME225先物 28445.00 28710.00 27375.00 27675.00 205.00 0.75
FT100 7059.45 7059.45 7059.45 7059.45 -50.50 -0.71
DAX 15117.63 15280.04 15015.42 15100.13 -180.73 -1.18
為替(ドル/円) 113.56 113.89 112.54 113.11 -0.44 -0.39
※CME225先物は円建て。前日比は前日の大証日中終値比を記載。