週明け29日の香港市場でカジノ株が安い。ハンセン指数を構成するサンズ・チャイナ(
01928)や銀河娯楽(
00027)などが急落している。カジノと富裕層を仲介する「ジャンケット」と呼ばれる業者の大物として知られる太陽城集団(
01383)の周シャク華会長が逮捕されたことで、カジノのVIPルーム収入が急減するとの見方から売りが膨らんだもよう。太陽城集団は現地時間29日午前9時から株式取引を停止している。
『香港経済日報』によると、浙江省温州市の検察が26日、中国本土内で違法に賭博場を開設した疑いで周会長の逮捕を請求し、マカオ警察が27日に周氏を拘束した。JPモルガンは、同氏はジャンケット業界を代表する人物で、太陽城集団の仲介市場シェアは40−45%に上り、マカオの2019年カジノ収入の約15%を占めていたと指摘。業界の衝撃は大きく、ジャンケット経由のVIPルーム収入が今後30−40%縮小するとの予測を示した。
カジノ株を巡っては、当局による監督が緩むとの期待から最近は株価が持ち直しており、行政リスクからみて「最悪の時期は過ぎた」との見方が広がっていた。JPモルガンは、周会長逮捕の影響が実際に及ぶのはジャンケットやVIPルーム業務だけだとしても、投資家はカジノ業界に対する統制強化の前触れと受け止めてセンチメントが悪化しかねず、カジノ株の買い増しは推奨できないとした。
日本時間午後0時25分現在、関連銘柄の値動きは次の通り。
■銀河娯楽(
00027):42.70HKドル(前営業日比7.48%安)
■サンズ・チャイナ(
01928):18.48HKドル(同6.29%安)
■澳門博彩控股(
00880):5.46HKドル(同8.70%安)
■ウィン・マカオ(
01128):7.04HKドル(同9.74%安)
■MGMチャイナ(
02282):5.21HKドル(同10.48%安)