2021-10-07 |
香港/投資判断/証券 |
|
中国の電力不足、22年春まで続く可能性=BNPパリバ
市場では、深刻な電力不足によって企業が生産の停止に追い込まれる「限電限産」が懸念材料となっているが、BNPパリバは最新リポートで、2022年春まで「限電」が続く可能性があるとの見方を示した。電力需要のピークではない時期に電力が不足しており、電力需要が拡大する冬には電力不足がさらに深刻化すると予想した。『香港経済日報』が7日伝えた。
BNPパリバは電力不足下での勝ち組として、石油・天然ガス採掘、石炭、再生可能エネルギーを挙げた。燃料の供給者は必然的に勝ち組になると指摘。世界的なエネルギー危機の深刻化で再生可能エネルギーへの注目度も高まっているとした。一方、負け組として、火力発電、天然ガス販売、エネルギー集約型の商品・サプライチェーンを挙げた。市場動向に左右される燃料価格と中国政府が支配する関税により、火力発電企業の利益率は往々にして低く抑えられており、都市ガス販売業者も不利な条件に置かれていると指摘。コスト増加分を顧客に転嫁することも可能だが、時期は遅れるとした。このほか、鉄鋼、アルミ、化学工業、セメントなどエネルギー集約型の産業は生産停止やエネルギーコストの増加で損失を被る可能性があると指摘。ハードウエア製品やその他の製造業に関するサプライチェーンの寸断で、中国以外の企業に影響が及ぶ可能性もあるとした。