29日の香港市場は米株安を嫌気して売りが優勢か。前日のNY市場でダウ平均は569米ドルの大幅安となり、ハイテク株比率の高いナスダック総合指数は今年3番目の下落率を記録した。米長期金利の上昇が加速したことでハイテク・グロース株を中心に幅広く下落した。先週の米連邦公開市場委員会(FOMC)で年内のテーパリング(資産購入の段階的縮小)開始が示唆されたことを受けた米債売りが続き、米10年債利回りは一時1.567%と6月以来の水準まで上昇した。上院共和党が米連邦債務上限引き上げに反対し、政府機関の閉鎖リスクも懸念材料となった。NY市場の流れを引き継ぎ、香港市場にも大型ネット株の売りが強まる可能性がある。
中国本土ではあす、9月の製造業購買担当者景気指数(PMI)が発表される。中国で電力の供給規制で工場が操業停止を余儀なくされる事態が各地で広がり、経済への悪影響が懸念される中、9月の製造業PMIが50を割り込む予測も出ている。国慶節連休を控えていることもあり、手じまい売りも重荷になりそうだ。国慶節連休のため、本土投資家が相互取引制度を通じて香港株を売買する「南向き取引」はきょうから10月7日まで休止する。
28日の香港株の米国預託証券(ADR)はさえない。大型ネット株のテンセント(
00700)、アリババ集団(
09988)や欧州金融のHSBC(
00005)、アジア生保のAIAグループ(
01299)など主力株がそろって香港終値を下回って引けた。香港株のADRにサヤ寄せすれば、ハンセン指数は前日終値を220ポイント超下回って寄り付くことになる。