格付け会社フィッチ・レーティングスは10日、生活関連サイト運営大手の美団(
03690)の長期外貨建て発行体デフォルト格付けを「BBB」から「BBB−」に引き下げた。格付け見通しは「ネガティブ」に据え置き。シニア無担保債格付けも「BBB」から「BBB−」に引き下げた。
フィッチは、格下げ理由として美団が直面する当局の監督の不透明性を挙げた。当局がバイクなどで配送する作業者へ福利向上を指示したことで美団の出前事業の経営効率と利幅が圧迫されるとみている。加えて、同社は市場機会と行政に対応して新措置を拡充することになりかねず、業務展開と投資規模の先行きが見通しにくくなるとした。
「ネガティブ」見通しについては、美団のEBITDA(利払い・税引き・減価償却前利益)が黒字に復帰する時期が不明だと指摘。美団の手元資金状況は2021年の投資を支えられるものの、格付け見通しを「安定的」に引き上げられるかは収益力の改善と、フリーキャッシュフローを中立に向かわせるように投資を控えられるかにかかっていると説明した。
美団の株価は日本時間午後3時24分現在、前営業日比6.17%安の243.40HKドルで推移している。