2021-07-08 |
中国/政策/証券 |
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中国、海外上場の規制強化か VIE構造企業も審査対象
中国当局は、自国ハイテク企業が海外で上場する際に採用している「変動持ち分事業体(VIE)」の利用を規制するもようだ。消息筋によると、VIE構造を持つ中国企業が米国や香港で新規株式公開(IPO)をする場合、中国当局の審査を通過することを義務付ける規定変更を検討している。香港経済紙『信報』が7日、外電を引用する形で伝えた。
VIEは、テンセント(
00700)やアリババ集団(
09988)などの中国企業が外資規制を回避して海外で上場するための仕組みとして使われている。国内で事業を運営するために必要な各種免許を持つ事業実体と、英領ケイマン諸島などで法人登記した会社が利益譲渡の契約を結んだ上で、海外登記の会社が株式を公開する。つまりVIEの下では、上場企業の株主は事業実体の株式を直接保有できず、契約を通じて株主と同等の権利を持つことになる。
現時点では、中国企業が中国本土外でIPOを実施するには当局の認可が必要となる。ただ、1994年に施行された現行の上場規定は、海外で法人登記されている会社には言及していない。消息筋は、中国証券監督管理委員会(CSRC)が中心になって同規定の変更を検討していると明らかにした。規定の変更には最終的に国務院の承認が必要。CSRCはIPOの引受幹事を務める投資銀行などと規定変更について協議する準備に入ったという。