8日の香港市場は上値の重い展開か。中国政府が海外に上場する中国企業への監督・管理を強化する動きを強めており、関連銘柄が引き続き売られて相場の重しとなりそうだ。外電によれば、中国政府は中国本土外に登記されている場合でも、海外上場にあたっては中国証券監督管理委員会(CSRC)の認可取得を義務付ける方向でルール変更を検討しているもよう。また、変動持ち分事業体(VIE)モデルによりすでに上場している企業についても、影響が及ぶ可能性があるとみられている。
ただ、ハンセン指数は前日まで7営業日続落し、心理的節目の28000ポイントを下回り、5月13日以来、約1カ月半ぶり安値で取引を終えており、値ごろ感の出た銘柄を中心に買い戻す動きも広がりそうだ。
7日のNY株式相場はおおむね堅調。取引時間午後に公表されたFOMC議事要旨で資産購入の段階的縮小(テーパリング)の開始をさほど急ぐものではなかったことが明らかになった。長期金利が低下する中、景気回復ペースのピークアウトも意識されたことで、アップルなどのハイテク・ジャイアントへの資金流入が続いた。同日の香港株の米国預託証券(ADR)は、HSBC(
00005)や中国生物製薬(
01177)が香港終値を上回って引けた半面、テンセント(
00700)やアリババ集団(
09988)が下回って引けており、香港株のADRにサヤ寄せすれば、ハンセン指数は前日終値を約80ポイント下回って寄り付くことになる。