9日の香港市場は方向感を欠く展開か。米長期金利の低下が好感される半面、インフレ懸念は根強い。きょう発表される5月の中国物価統計や、日本時間10日夜発表の米5月消費者物価指数(CPI)の結果を見極めたい投資家が、積極的な売買を見送ると予想する。
前日のハンセン指数は小幅ながら5営業日続落しており、値ごろ感に注目した買いが入りやすい環境だ。8日の米債券市場で長期金利が一時ほぼ1カ月ぶりの水準に低下したことを受け、ハイテク株が買われて相場を支える展開がありそうだ。米原油先物相場の反発も関連銘柄の買い材料となるだろう。
8日のNY株式相場は、ダウ平均が高値警戒感の売りに押されて小幅に続落。半面、ハイテク株主体のナスダック総合は3日続伸した。同日の香港株の米国預託証券(ADR)は、アジア保険会社のAIAグループ(
01299)や中国インターネットサービス大手のテンセント(
00700)などが香港終値を上回った半面、英金融大手HSBC(
00005)、中国ネット通販大手のアリババ集団(
09988)、不動産株の中国海外発展(
00688)が下回って引けた。