モルガン・スタンレーは最新リポートで、中国平安保険(
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601318)が中国国有の複合企業である北大方正集団の再編に参画することについて、市場が出資規模と参画範囲を意外だと受け止めているとの見方を示した。H株の投資判断は「オーバーウエート」、目標株価は118HKドルとした。中国平安保険が再編後の北大方正集団から取得する資産に医療事業が含まれており、中国平安保険が展開するオンライン医療サービスとの相互補完が期待できると評価。半面、これまで進めてきたアセットライト(資産軽量化)戦略に逆行する動きだと指摘した。『香港経済日報』が4日伝えた。
北京大学系コングロマリットの北大方正集団は経営難に陥り、中国人民銀行(中央銀行)などの管理下で債務処理を進めている。中国平安保険の子会社である中国平安人寿保険が370億5000万−507億5000万元を投じ、再編後の「新方正集団」の持ち分51.1−70.0%を取得する合意が4月30日に成立した。
ゴールドマン・サックスは中国平安保険の投資判断を「買い」、目標株価を117HKドルとした。新方正集団傘下の北京大学国際医院が中国平安保険の保険契約の価値を押し上げる効果を発揮できるのか、北大方正人寿保険や方正証券(
601901)の自己資本利益率(ROE)をどのように改善するかに投資家は注目しているとした。
一方、HSBCグローバル・リサーチは投資判断を「買い」に維持したものの、目標株価をこれまでの120HKドルから106HKドルに引き下げた。中国平安保険が新北大方正集団の資産を取得することで投資収益率と社会貢献度が高まると同時に、中国平安保険傘下の平安健康医療科技(
01833)の経営戦略が資本集約型に傾くかもしれず、今後も医療資産への投資が続く可能性があるとの見方を示した。