中国平安保険（02318/601318）は4月30日大引け後、中国国有の複合企業である北大方正集団の再編に参画すると発表した。中国平安保険の子会社である中国平安人寿保険と、珠海市国有資産監督管理委員会が全額出資する珠海華発集団、深セン市政府系企業の深セン市深超科技投資の3社が出資者となり、中国人民銀行（中央銀行）、教育部、中国銀行保険監督管理委員会北京監督管理局、北京市政府で組成する管財人と債務処理について合意した。

　合意に基づき、再編後の方正集団（新方正集団）の資産について、中国平安人寿保険と珠海華発集団が共同で73％超を取得し、債権者の同意を前提に残りの最大23％を債権者への支払いに充てる。中国平安人寿保険と珠海華発集団の共同取得分の内訳比率は7：3とするため、中国平安人寿保険は370億5000万−507億5000万元を投じて新方正集団の持ち分51.1−70.0％を取得することになる。

　再編は「売り出し型再編」の手法で進める。2020年7月に裁判所の裁定で再編主体に指定された北大方正集団と傘下の北大方正信息産業集団、北大医療産業集団、北大資源集団、方正産業控股の計5社が保有するほとんどの資産を引き継ぐ新方正集団を設立する。ただし、再編主体が保有する深セン方正微電子の全株式は深セン市深超科技投資が取得し、新方正集団には含まれない。

　北大方正集団は北京大学の出資で設立された国有コングロマリット。近年は経営難に陥り、再編主体5社が司法再編手続きに入っていた。再編主体の主な資産は、北大医薬（000788）、方正証券（601901）、方正科技集団（600601）、中国高科集団（600730）など。