海南美蘭国際空港(
00357)は28日大引け後、遅延していた2020年12月本決算を発表した。純損益は13億4000万元の赤字となった(前年は5億7500万元の黒字)。赤字転落の主因は、共同出資会社である海航機場控股(集団)有限公司の出資持ち分について発生した13億8900万元の投資損失。中国海南省の高等裁判所が2021年3月、中国複合企業の海航集団が進める債務処理に、海航機場控股など傘下企業321社の更生手続きを含める裁定を下したため、海航機場控股の出資者である海南美蘭国際空港は信用減損に伴う投資損失を計上することになった。
売上高は前年比13.1%減の13億7000万元だった。うち、旅客サービスや地上サービスなどの航空業務は4億6300万元にとどまった(前年は7億900万元)。航空業務以外の売上高は前年の8億6700万元から9億700万元へ増えたものの、航空業務の落ち込みを穴埋めし切れなかった。
普華永道中天会計士事務所は、決算に「継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような不確定性が存在している」として、監査報告に一部を除いておおむね正しいとする「限定付き適正意見」を付けた。
海南美蘭国際空港は20年12月本決算を上場規則に基づく期限の21年3月末までに公表できなかったため、4月1日から株式取引を停止していた。決算発表に伴い、取引を4月29日の現地時間午前9時に再開する。