大和証券キャピタル・マーケッツは最新リポートで、薬明生物技術(
02269)の投資判断を「買い」、目標株価を140HKドルに据え置いた。薬明生物技術の筆頭株主である李革会長などが支配するWuxi Biologics Holdingsが再び売り出しを実施すると発表したことに触れ、同株主がこれまでに10回の既存株式の売り出しなどを実施したものの、大和は薬明生物技術の事業の先行きに対する楽観的な見方を維持するとした。『AAストックス』が27日伝えた。
薬明生物技術は27日朝方、Wuxi Biologics Holdingsが保有株式1億800万株(発行済み株数の2.56%)の売り出しについて引受幹事と契約したと発表した。売り出し価格は1株につき107HKドル(26日終値の114.80HKドルを約6.79%下回る水準)、総額は115億5600万HKドルに上る。売り出しが完了すれば、Wuxi Biologics Holdingsの持ち株比率がこれまでの20.00%から17.44%に低下する。
大和はWuxi Biologics Holdingsが複数回にわたって売り出しを実施した理由について、背景にはベンチャーキャピタル(VC)やプライベートエクイティ(PE)ファンドが関係していると分析。米国市場に上場していた無錫薬明康徳新薬開発(
02359)を2015年に非公開化した際、複数のVCファンドとPEファンドが関わっていた。当時は薬明生物技術が無錫薬明康徳新薬開発の一部だった。
薬明生物技術の先行きを楽観視する理由について、3月15日時点で同社の受注残が120億米ドルに上っていることに言及。薬明生物技術は中国の医薬品受託開発・製造業界のトップピック銘柄で、ディフェンシブ性が高いとの見方を示した。
薬明生物技術の株価は日本時間午後3時50分現在、前日比5.05%安の109.00HKドルで推移している。