8日の香港市場は、積極的な買いに結びつく材料が見当たらない中、上値の重い展開が予想される。中国人民銀行(中央銀行)が不動産市況の過熱を警戒し、先月の会合で主要な銀行に年内の融資抑制を求めたと伝わっており、金融引き締めへの懸念が引き続き相場の重しとなりそうだ。
一方、南アフリカのメディア企業、ナスパーズの傘下投資会社、プロサスが7日、保有するテンセント(
00700)の一部株式を売却し、1100億HKドル超を調達する計画を発表。売却価格は1株当たり575−595HKドルで、前日終値(629.50HKドル)に対し5.5−8.7%のディスカウント水準となる。米国預託証券(ADR)は前日に3.85%下げており、香港市場での値動きが注目される。
7日のNY株式相場はおおむね堅調。FOMC議事要旨で緩和的金融政策の長期化が示されたことが好感された。S&P500は0.15%高と小幅に反発し、終値での史上最高値を更新。ダウ平均もわずかながら上昇して終了した。一方、ナスダック総合は0.07%安と小幅に続落。同日の香港株のADRはHSBC(
00005)が香港終値を上回って引けた半面、AIAグループ(
01299)やアリババ集団(
09988)が下回って引けた。香港株のADRにサヤ寄せすれば、ハンセン指数は前日終値を150ポイント超下回って寄り付くことになる。