2021-03-25 |
香港/企業動向/電子・IT |
|
金蝶国際ソフトの20年12月期は赤字転落、クラウド業態への転換コストが重荷
ERP(統合基幹業務パッケージ)大手の金蝶国際ソフト(
00268)が発表した2020年12月本決算は、純損益が3億3500万元の赤字だった(前年は3億7300万元の黒字)。赤字幅はファクトセットがまとめた市場コンセンサス予想の2億5700万元を上回った。サブスクリプション(定額課金)方式のクラウドサービス業態への転換を推進するなかで一部ERPソフトウエア・ライセンス製品の販売を打ち切り、売上高が伸び悩んだ。主力クラウドサービスの開発費がかさんだ上、為替損失も痛手となり、営業損益は4億1500万元の赤字に転落した。
売上高は前年比0.9%増の33億5600万元。ERP部門売上高が前年比28.2%減の14億4400万元に落ち込んだ半面、クラウドサービス部門売上高が45.6%増の19億1200万元に増えて穴埋めした。部門別の営業利益は、ERPが77.7%減の1億1300万元に落ち込み、クラウドサービスの赤字が前年の1億9500万元から6億700万元に膨らんだ。不動産賃貸部門の営業利益は、物件評価損の計上が響いて30.5%減の7900万元にとどまった。