3日の香港市場で新エネルギー発電銘柄が安い。風力発電大手の龍源電力(
00916)の下落率は一時17.89%に達した。中国国家エネルギー局が2日夜に公表した風力・太陽光発電の政策案について、発電事業者の業績悪化につながるとの見方が市場で広がり、売りが膨らんだもよう。
政策案は国家エネルギー局が「2021年の風力発電・太陽光発電の開発・建設に関する事項の通知」として2月26日にまとめ、パブリックコメントを募集するため公表した。
香港経済紙『信報』によると、中銀国際(BOCインターナショナル)は最新リポートで、同政策が実施されれば新エネルギー発電会社の成長が妨げられ、発電事業の収益率が低下しかねないと市場が受け止めていると指摘した。問題は、送電網への接続を一定規模で保障する制度に、補助金の削減につながる競争原理を持ち込んだことにあるという。政策案では、各省のエネルギー管轄部署が、補助金の減額を受け入れた発電業者へ優先的に送電枠を与える権限を認める。原則として、送電保障枠の3分の1以上を補助金減額と引き換えに割り当てる。
中銀国際は、この政策は急進的で、細則がすみやかに決まらないと、再生可能エネルギーの開発に悪影響を与える可能性があるとした。また、補助金減額と引き換えに送電枠の3分の1を割り当てる措置は歓迎されないとみている。
日本時間午後2時59分現在、関連銘柄の値動きは次の通り。
■龍源電力(
00916):10.42HKドル(前日比15.28%安)
■協合新能源(
00182):0.54HKドル(同1.82%安)
■大唐新能源(
01798):1.76HKドル(同4.86%安)
■信義能源(
03868):4.08HKドル(同5.12%安)