30日後場の香港・中国本土市場で、中国の半導体受託製造(ファウンドリー)の世界大手、SMIC(
00981/688981)が急伸。日本時間午後4時28分現在、香港上場株は前日比14.16%高の20.18HKドルで推移している。上海「科創板」に上場するA株は7.50%高の56.47元で引けた。新たに副会長に就任した蒋尚義氏の協力を得て、SMICは極端紫外線(EUV)露光装置の購入についてオランダの半導体製造装置最大手、ASMLと交渉に入るとの見方が出ている。『香港経済日報』が30日伝えた。
米商務省は今月18日、安全保障上の問題を理由にSMICを事実上の禁輸リストである「エンティティー・リスト」に加えた。サプライヤーが同社に米輸出管理法が適用される製品や技術を輸出するには、米商務省の許可が必要になる。線幅が10nmより狭いプロセス(EUVリソグラフィー技術を含む)を使った製品や技術については、米商務省の審査方針は「推定拒絶」とされる。
一方、台湾積体電路製造(TSMC)の幹部を務めていた蒋尚義氏が15日にSMICの副会長に就任。この人事はSMICが「生き残りをかけた一策」と指摘されている。ASMLに深い人脈を持つ蒋尚義氏の力を借りることでEUV露光装置を入手できる可能性が出てくる。また、米制裁で先端技術分野での発展が難しくなった場合、SMICは「チップレット」と呼ばれるパーツを活用する手法やアドバンスドパッケージング技術を強化する必要があるが、これらの分野で蒋尚義氏が豊富な経験を持つという。