中国人民銀行(中央銀行)と銀行保険監督管理委員会、証券監督管理委員会、国家外為管理局の4部局が26日、合同でアリババ集団(
09988)傘下の金融会社、アント・グループに対し指導を行った。中国人民銀行の潘功勝副行長は記者の質問に回答する形で、内容を明らかにした。
今回の指導の背景として、アント・グループは設立以来、フィンテック分野で金融サービスの効率向上など新機軸を打ち出しており、重大な影響力を持つ企業として、関連する法律規定を順守するとともに、社会的責任を負わなければならないと説明。市場化や法治化の原則に基づき、金融監督管理や公平な競争、消費者の合法的な権益の保護などの要求を実行した上で、金融業務の運営・発展の規範化を進めるよう促すことが目的だったとしている。
金融監督管理部門はアント・グループに対し、以下の5項目について改善を求めた。具体的には◇本業への回帰と取引の透明性の向上、不正競争の禁止◇法律に基づき個人の信用調査業務・個人データの保護を行うこと◇法律に基づき金融持ち株会社を設立し、厳格に監督管理の要求を実行し、十分な自己資本の確保と規定に合致した関連者間取引を行うこと◇コーポレートガバナンス体制を整備し、監督管理機関の要求に従い、規定に違反した与信や保険、理財などの金融活動を改めること◇規定に合致した証券ファンド業務や資産証券化業務を行うこと――など。