香港コングロマリットの長江和記実業(
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長江和記実業はセルネックスとの事業提携を通じて欧州で5G携帯通信サービスを展開する一方、インフラ売却によりキャピタルゲインを得る。2020年と21年に実現するキャッシュゲインで、ハスキーエナジー株の減損処理に伴い同期間に計上する非現金損失を相殺できる見通し。
セルネックスは英国資産の譲渡代価のうち14億ユーロを新株割り当てにより支払う予定で、株主の承認を求める。新株発行に規模は増資後発行済み株式の5%相当の見通し。譲渡手続きの完了見通しはオーストリアとデンマーク、アイルランドが20年内、スウェーデンが21年3月、イタリアと英国が21年内。イタリアと英国の資産売却については、長江和記実業が臨時株主総会を開いて承認を求める。
長江和記実業の株価は日本時間午前11時58分現在、前日比1.68%高の54.40HKドルで推移している。