アリババ集団(
09988)傘下の金融サービス会社、アント・グループ(
06688)は3日夜、5日に予定していた上海市場と香港市場での株式新規公開(IPO)を見合わせると発表した。同グループの井賢棟(エリック・ジン)会長は発表直後に召集した幹部会議で、出直し上場まで半年は要するとの見方を示した。『騰訊一線』が4日伝えた。
井会長は直ちに中−高位レベルの管理職を召集して緊急会議を開催し「当社とアリババ・グループの歴史上、最も暗く、最も困難な日々だった」と吐露。また同会議では、アント・グループがあらためて上場を果たすまで、控え目に見積もっても半年は要するとの見解が共有された。
井会長は会議の席上、楽観的な姿勢を見せ、「監督当局は主に意見を求めており、当社は火急に社内の意見の取りまとめに伴う特定の要件を満たす必要がある」と語った。IPOに関する規定では、株式発行の申請が承認されなかった場合、中国証券監督管理委員会が上場不承認の決定をした日から6カ月後に再申請することができると定めている。
市場の分析では、中国銀行保険監督管理委員会と中央銀行の中国人民銀行が「インターネット少額ローン事業管理」の新方針を発表したことにより、同事業の拡大が厳しく制限されると予想され、当該規制によりアント・グループの評価は格下げされる可能性がある。