洗濯機の世界最大手、海爾電器(
01169)は7月31日大引け後、筆頭株主の海爾智家(
600690)が提案した非公開化計画を明らかにした。海爾智家がスキーム・オブ・アレンジメント方式によりほかの株主が保有する海爾電器株を全て取得した上で消却し、上場を廃止する計画。海爾電器は7月30日から取引を停止していたが、8月3日の現地時間午前9時に取引を再開する。
7月31日時点で、海爾智家は12億8700万株(発行済み株式の45.68%)の海爾電器株を保有する。買い取り対象となる残りの海爾電器株のうち、3億5900万株(同12.73%)は海爾集団公司(海爾智家の大株主)など海爾智家の共同保有者が持っている。買取提案に応じた海爾電器株主は1株について海爾智家が新たに発行するH株1.6株を割り当てられ、海爾電器から現金1.95HKドルを受け取る。海爾電器の1株評価額は31.51HKドルと、7月29日(株式取引停止前の最終取引日)終値の26.85HKドルを約17.35%上回る。計画実施には海爾電器の特別株主総会と裁判所会議での承認が必要となる。
海爾智家は、海爾電器を吸収することでIoTを基盤とするスマートホーム・エコシステムを構築し、世界展開を図ると表明した。海爾智家はH株を紹介形式で香港証券取引所メインボードに上場する方針。香港証取がH株上場を認めることが海爾電器非公開の成立条件となる。