16日の香港市場は前日の米株高が支えとなるものの、上値の重い展開となるか。15日の米NY株式相場は上昇。新型コロナウイルスのワクチン開発の進捗が伝わり、経済活動の正常化期待が高まった。一方、前日の香港市場ではハンセン指数が小幅反発したが、米中関係の緊張に対する警戒感が高まっている。米国では14日に成立した香港自治法に続き、ポンペオ米国務長官が中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)など中国ハイテク企業の従業員に対するビザ制限を発表。中国政府高官への追加制裁は見送ったものの、同問題は引き続き相場の重しとなりそうだ。
きょう市場が注目する最大のイベントは、日本時間午前11時に発表される中国の4−6月期実質国内総生産(GDP)などの主要経済指標だ。GDPの市場予想は2.5%増と、1−3月のマイナス6.8%からプラス転換が見込まれている。7月に入って急騰をみせた中国本土相場の調整ムードが意識され始めたなかで、指標発表後の反応が注目される。
なお、15日の香港株の米国預託証券(ADR)はまちまち。欧州金融大手のHSBC(
00005)や取引所運営の香港証券取引所(
00388)などが香港終値を上回った半面、中国IT大手のテンセント(
00700)やホンコン・チャイナガス(
00003)などが下回って引けた。