14日の香港市場は軟調な展開か。新型コロナウイルスの感染再拡大を受けた景気悪化懸念が重荷となりそうだ。香港ではここ1週間、一度収束していた市中感染が急増し、13日は新規感染者52人のうち41人が海外渡航歴のない域内の感染だった。香港政府の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は13日夜、新型コロナ対策の強化を発表し、午後6時から午前5時まで飲食店内での食事を禁止するといった厳しい措置も含まれた。すでに冷え込んでいる香港経済への打撃が懸念され、飲食や小売り、不動産株が売られそうだ。
本土市場の動向も気がかりだ。中国景気の持ち直し期待を背景にA株市場はこのところ強気相場が続いており、急激の上昇で相場過熱感もくすぶる。本土市場が調整に入れば、香港市場にも売りが波及する可能性がある。
前日のNY市場でダウ平均は小幅に続伸。ハイテク株比率の高いナスダック総合指数は小幅安で終えた。13日の香港株の米国預託証券(ADR)は、欧州金融大手のHSBC(
00005)、中国IT大手のテンセント(
00700)、中国国有銀行の中国建設銀行(
00939)といった大型銘柄が香港終値を下回った。香港株のADRにサヤ寄せすれば、ハンセン指数は前日終値を200ポイント超下回る水準で寄り付くことになる。なお、きょうは中国本土で6月の貿易統計が発表される。