週明け13日の香港市場は前週末に米株式相場が上昇した流れを引き継ぎ、反発して始まるか。米国では新型コロナウイルスの感染拡大が続くものの、治療薬やワクチン開発への期待が高まっている。香港でも世界経済の停滞懸念が後退し、買い安心感につながると予想する。中国景気の持ち直しを示す統計も引き続き投資家心理を支えるだろう。中国人民銀行(中央銀行)が10日発表した金融統計で、国内金融機関による6月の人民元建て貸付残高増加額は1兆8100億元と市場予想の1兆8000億元を上回った。もっとも、心理的節目の26000ポイントが近い水準では上値の重い展開がありそうだ。一段と買い上がるには中国政府による財政出動の拡大や、金融緩和などの材料が必要となろう。
10日のNY株式相場は、ダウ平均が反発した。バイオ製薬のギリアド・サイエンシズが、コロナ治療薬「レムデシビル」を重症患者に投与した臨床試験で死亡率が62%低下したと発表。ファイザーと共同でコロナワクチンを開発中のドイツBioNTechのCEOは、12月にもワクチンが承認される見通しだとした。ハイテク株主体のナスダック総合も3日続伸し、過去最高値を更新した。同日の香港株の米国預託証券(ADR)は高安まちまち。大型金融株のHSBC(
00005)や中国平安保険(
02318)、中国携帯通信最大手のチャイナ・モバイル(
00941)が香港終値を上回った半面、中国商業銀行大手の中国建設銀行(
00939)、香港不動産株の新鴻基地産(
00016)と新世界発展(
00017)が下回って引けた。