2020-07-09 |
香港/マーケット/証券 |
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【相場見通し】買い優勢で始まるか、中国当局の「場外配資」取り締まりに注意
9日の香港市場は前日の米株高の流れを引き継ぎ、買い優勢で始まるか。8日の米NY株式相場は主要3指数がそろって反発。新型コロナウイルスの感染拡大が続き「経済活動再開銘柄」への売り圧力が強まったが、好業績が期待できる大手IT銘柄が買われた。香港市場では中国経済の回復期待などを背景とした相場の先高観が根強く、相互取引制度を通じた中国本土市場からの資金流入が続いている。ハンセン指数は相場の強気と弱気の分かれ目とされる250日移動平均(8日大引け時点で26091ポイント)を回復しており、きょうも維持できるか注目される。
もっとも、直近の香港市場の株高を支えている本土相場の過熱具合には注意したい。前日の上海総合指数は2年2カ月ぶりの高値圏まで上昇。同指数のRSI(14日)は89.9%(8日大引け時点)と、買われ過ぎを示唆する70を大きく上回り、高値警戒の売りが出やすくなっている。また、前日の夕方以降、中国当局が証券会社以外の金融業者が投資家に信用取引の資金を融資する「場外配資」を取り締まっていることが伝わっており、売り材料になる可能性がある。
8日の香港株の米国預託証券(ADR)は、欧州金融大手のHSBC(
00005)、中国IT大手のテンセント(
00700)、AIAグループ(
01299)といった大型銘柄が香港終値を上回った。香港株のADRにサヤ寄せすれば、ハンセン指数は前日終値を100ポイント近く上回る水準で寄り付くことになる。なお、きょうは寄り付き後に中国の6月消費者物価指数(CPI)が発表される。