2020-04-10 |
中国/政策/証券 |
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中国指導部、証券市場制度の整備指示 現金配当を奨励
中国指導部は市場を通じた資源配分を推進する政策の下、証券市場と取引制度の整備を指示した。中国共産党中央委員会と国務院(内閣に相当)が、国営新華社を通じて9日に公表した「一段と改善した要素の市場化配置の制度構築に関する意見」に、「資本要素の市場化配置」を推進する措置を盛り込んだ。株式市場の制度基盤を改善し、債券市場の発展を加速させる。
株式市場については、株式の発行と取引、上場廃止などの制度改革を進めていくとした。上場企業の現金配当を奨励する。投資家保護制度や、中国の特色を備えた証券民事訴訟制度も整備する。メインボード、科創板、中小企業板、創業板、全国中小企業株式譲渡システム(新三板)で構成する市場の建設を進める。
「意見」はこのほか、土地、労働力、データの市場化配置を推進すると表明した。データについては社会資源としての価値を高める方針。デジタル経済の新産業と新業態を育成し、農業、工業、交通、教育、保安、都市管理、公共資源取引などの分野で規定されたデータの利用開発を支援する。各業界団体が人工知能(AI)やウエアラブル機器、IoV(車のインターネット)、IoT(モノのインターネット)などの分野でデータ採取の標準化を進める。
土地や賃金などの要素価格の市場化改革も推進する。預貸基準金利と市場金利の連動を着実に進め、債券市場が価格を決める効率を引き上げ、国債利回り曲線(イールドカーブ)に市場の需給関係を健全に反映させて債券価格の基準としての国債利回り曲線の機能を発揮させる。人民元為替レートの弾性を高め、人民元相場が合理的な均衡水準に基本的に安定するようにする。