3日の香港市場は、買いが先行も上値が重い展開か。原油高と欧米株式相場の上昇が投資家心理を支え、中国の経済対策への期待が根強い半面、新型コロナウイルスによる世界景気の悪化懸念は依然として強い。好悪材料が交錯し、相場の方向感は乏しいと予想する。ハンセン指数は20日移動平均(2日大引け時点で23557.72ポイント)が上値抵抗として意識される一方で、心理的節目の23000ポイントを割り込む水準では下げ渋りそうだ。
2日のNY株式相場では、ダウ平均など主要3指数がそろって3日ぶりに反発した。トランプ米大統領が「サウジアラビアとロシアが1000万バレルかそれ以上の幅で減産に合意するだろう」とツイートしたことからNY原油先物相場が急伸。エネルギー株のほか、公益、金融株など幅広い銘柄が上昇して株式指数を押し上げた。
ただ、減産の開始時期は不明確で、市場では主要産油国による生産調整の詳細を見極めたいとのムードが広がっている。週間の米新規失業保険申請件数が過去最大となった前回改定値の330.7万件から664.8万件へほぼ2倍に膨らんだことで、米景気の悪化も警戒された。2日の香港株の米国預託証券(ADR)は、大型金融株のHSBC(
00005)と中国建設銀行(
00939)、不動産株の華潤置地(
01109)、医薬品株の中国生物製薬(
01177)が香港終値を下回ったものの、中国石油メジャーのシノペック(
00386)、ペトロチャイナ(
00857)、CNOOC(
00883)やアジア基盤の保険会社AIAグループ(
01299)は上回って引けた。