2020-03-26 |
中国/政策/金融 |
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人民銀、預金金利引き下げ検討か 銀行の利ざや確保=FT
英紙『フィナンシャル・タイムズ』は25日、中国人民銀行(中央銀行)が2015年以降で初の預金基準金利引き下げを検討していると報じた。消息筋によれば、早ければ数日中にも引き下げを発表する見込み。市中銀行の貸出金利を低めに誘導する一方で、利ざや縮小を和らげる狙いがあるとみられる。
新型コロナウイルスの感染が世界的に拡大するなか、中国の経済活動は今年に入って停滞している。ところが、巨額の資金供給を打ち出した欧米の中央銀行と比べ、人民銀の動きはごく限られているようにみえる。中国では市中銀行が経済対策に動員され、経営難に陥った企業の借入金返済を猶予したり、貸出金利を引き下げたりするよう指導を受けている。危機が続く間は不良債権率の上昇も容認するようだ。
ただ、貸出金利が下がるなかで預金金利が維持されれば、銀行の融資業務の利益率低下は避けられない。人民銀は数年前から金利規制を緩和する改革を進めてきたが、中国の市中銀行は依然として人民銀が設定する基準金利を参照して顧客に払う利息を決めている。
人民銀が最後に普通預金の金利を引き下げたのは2012年、定期預金の金利引き下げは2015年。預金の基準金利引き下げの主要目的は、消費刺激ではなく銀行への支援とみられている。人民銀の政策に詳しい筋は、「銀行の利ざやを縮小させずに、貸し出しを促すことが(預金金利引き下げの)理由。要は銀行を守るためだ」と語った。