27日の香港市場で、後場から取引を再開したワーフ・グループの持ち株会社、ウィーロック(
00020)が急伸。株価は日本時間午後3時28分現在、取引停止前の21日終値に比べ40.21%高の66.25HKドルで推移している。筆頭株主の呉光正・前会長(呉宗権・現会長の父親)による非公開化計画が好感されている。
ウィーロックは27日前引け後、呉光正・前会長による非公開化計画を発表。スキーム・オブ・アレンジメント方式を用いてほかの株主からウィーロックの株式を買い取り、同社の上場を廃止する。提示条件について、ウィーロックの株式1株に対しワーフ(
00004)と九龍倉置業地産(
01997)の株式それぞれ1株を交付するほか、現金12HKドル(配当の実施で調整あり)を支払う。ワーフと九龍倉置業地産の21日終値に基づき、対価は現物・現金をあわせて71.90HKドルに相当し、同日のウィーロックの終値47.25HKドルを約52.2%上回る水準。
ウィーロックは現時点で九龍倉置業地産の株式70.7%、ワーフ(
00004)の株式66.5%を保有。一方、ウィーロックの時価総額は970億HKドルにとどまり、九龍倉置業地産とワーフの合計1237億HKドルを大幅に下回っている。非公開化計画を通じて、こうした不合理な状況を解消し、株主の利益につながるとした。呉前会長は対価を引き上げることはないと表明している。
非公開化の実施には、特別株主総会と裁判所会議で計画が可決されることなどが前提条件。同計画が発効した場合、ウィーロックは上場廃止となる。なお、ワーフと九龍倉置業地産の株式の交付は、前提条件がすべてクリアした後に、ウィーロックが特別現物配当のかたちで実施する。