週明け20日の香港市場はもみ合う展開か。前週末にハンセン指数が心理的節目の29000ポイントを回復し、約8カ月ぶり高値で終えた。米中「第1段階」通商合意署名や、中国の国内総生産(GDP)など主要経済指標といった重要イベントを通過した後とあって、一服感から目先の利益をいったん確定する動きが相場の重荷になりそうだ。今週末から始まる春節(旧正月)休暇を前に換金売りも出やすい。
ただ、相場の先高観が根強く、下値は堅いと予想する。香港市場で先週の売買代金が連日で1000億HKドルの大台に乗り、商いは賑わった。米国などに比べ香港市場は出遅れ感があり、海外資金が流入しやすいとの見方が出ている。本土から相互取引を通じて香港株に投資する「南向き」資金も連日で買い越しが続いている。2019年12月本決算の見通しを発表する企業が増える中、業績予想を手掛かりとした物色も活発になりそうだ。
17日のNY市場でダウ平均が小幅ながら5日続伸し、過去最高値を更新。ハイテク株比率の高いナスダック総合指数は3日続伸。同日の香港株の米国預託証券(ADR)は、中国IT大手のテンセント(
00700)、中国国有銀行の中国建設銀行(
00939)、中国保険大手の中国平安保険(
02318)、アジア生保大手のAIAグループ(
01299)などが香港終値を上回った。香港株のADRにサヤ寄せすれば、ハンセン指数は前日終値を約50ポイント近く上回る水準で寄り付くことになる。
なお、きょうは中国本土で実質的な政策金利である最優遇貸出金利(ローンプライムレート、LPR)が発表される。引き下げられるかが注目される。