10日の香港市場は、反発して始まるものの上値の重さが目立つ展開か。米国と中国の閣僚級貿易交渉の再開を好感する半面、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言を10−11日に控え、積極的に買い上がる動きは限られるだろう。米中貿易交渉を巡っては、米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表と中国の劉鶴副首相らが9日に電話で協議したと伝わった。ただ、対面しての協議継続などの予定は明らかになっていない。
ハンセン指数は前日まで5営業日続落しただけに、割安感が強まった銘柄に買い戻しが入りやすい。米利下げ期待の後退や中東の地政学リスクの高まりはネガティブな材料だが、心理的節目の28000ポイントに近い水準では下値の堅さが意識されそうだ。なお、きょう午前に中国の6月の物価統計が発表される。
9日のNY株式相場は高安まちまち。ダウ平均が小幅ながら3日続落となった半面、ハイテク株主体のナスダック総合は3日ぶりに反発した。同日の香港株の米国預託証券(ADR)は、国際金融銘柄のHSBC(
00005)とAIAグループ(
01299)、中国石油メジャーのCNOOC(
00883)が香港終値を上回った一方、中国4大商業銀行の中国建設銀行(
00939)、香港コングロマリットの長江和記実業(
00001)が下回って引けた。