週明け23日の香港市場は米国発通商摩擦の先行き不透明感が漂うなか、神経質な展開か。トランプ米大統領は前週末、年5000億ドル強の中国からの輸入品に関税を課す準備をしていると表明。加えて、米企業の輸出拡大に不利となる最近の米ドル高に不満を示し、自国通貨を安く誘導しているとして中国などを批判した。G20財務相・中央銀行総裁会議でも為替問題が取り上げられ、新たな火種浮上で世界経済を巡る混乱が一段と深刻化するとの懸念も広がっており、相場の重しになると予想する。
一方、下げる場面では底堅く推移しそうだ。前週末のハンセン指数は人民元安の進行を受け一時、節目の28000ポイントを割り込んだが、後場に元安が一服すると反発して終えた。中国資本の大手銀行が大口の米ドル売りを実施したと伝わり、中国当局が過度の元安・ドル高を容認しないとの見方が地合い改善につながった。また、20日の米国市場ではダウ平均が米中摩擦への警戒感から続落したものの、米主要企業の4−6月期決算への期待が相場を支え、下げは小幅にとどまった。
なお、20日の香港株の米国預託証券(ADR)は、時価総額の大きい欧州金融大手のHSBC(
00005)、中国IT大手のテンセント(
00700)、アジア生保大手のAIAグループ(
01299)がそろって香港終値を上回って終えた。